2013年7月30日火曜日

それは満月の夜・・・池間島のオカガニの産卵

 旧暦5月の満月の夜、それは始まるのです。

 池間島の海に日が沈み・・・

 まだ薄明るい中、今年はスーパームーンと呼ばれる大きな満月が顔を出すと・・・


 じゃじゃーん。暗闇の中から卵を抱えたオカガニ参上。

 お腹いっぱいに卵を抱えています。

 これが北海道で、このカニがタラバガニなら、「カニの外子」という珍味、寿司ネタになるのですが、オカガニは食べても旨くないらしい。だから、沖縄で数が減らないんだとか。
 ん~ 何とも説得力のあるご説明で。

 ヤシガニからは不公平だと苦情がきそうな・・・


 オカガニという名前からして丘に住むカニなのですが、祖先は海に住む普通のカニと同じだったらしく、今でも海で産卵します。
 そこで、産卵のために普段住んでいる丘から海まで、お腹に卵を抱えてえっちらおっちら大移動。

 「それだけでも疲れるのに、無粋な人間の奴らが道路を造ったり、防波堤を造ったりするものだから、もー大変なんすよ!」 


 オカガニは、沖縄の各地に幅広く分布していますが、池間島には数が多いことと、「道路越え」をすることから有名になりました。

 「はぁ~ やっと何とか海岸までたどり着いたよ。」「オッシャー!」 勝利のVサイン?

 ほかのカニ達も続々と砂浜にやって来ました。


 こちらは、オカヤドカリ。丘に住むヤドカリです。数は少ないけれど、オカガニと同じことをします。

 
 オカガニは、満月の夜に産卵しますが、満月というより大潮のとき、つまり、「海がもっとも近い」ときを狙って産卵するようです。

 だったら、昼間だっていいし、新月の夜だっていいじゃん?と思われた方。

 いい質問ですね~

 夜に産卵するのは、外敵から目立たないようにするためらしいのです。そして、新月のときも大潮なので、一部の種類のオカガニは新月のときに産卵するのですが、主流派は満月を選びます。

 理由は分かりませんが、月の大きさを見て、潮の満ち干を判断しているのではないかと言われています。

 そして、凄いのは、満潮の時間の直後から放卵を始めること。
 つまりですね、満ちた潮が引き始める瞬間、すなわち、最も卵が海中にもって行かれやすいタイミングを選んで放卵するのです。
 どうして、そんなことが分かるのでしょうか。




 波が来ました。
 放卵の瞬間です。
 でも、オカガニの親は海では生きられません。波にさらわれたら溺れて死んでしまいます。
 まさに命賭けの産卵。
 感動の一瞬です。







 と思ったのですが・・・

 翌朝。

 命を賭けて産卵したはずなのに、気が緩んだのか網戸の隙間に引っかかった間抜けなオカガニ。
 感動シーンの後に笑いを取ることも忘れない、何とも愛すべき奴です。 

2013年7月26日金曜日

水納島の写真を新たに載せました【終了しました】



水納島は、沖縄本島中部にある本部半島から、高速船で約15分の距離にある人口約40人の小さな島ですが、海がとても綺麗なことから、夏のシーズンには大量の観光客が押し寄せます。

 初めて行ったのですが、海の美しさは噂に違わず、観光客が居なくなった静かな夕方の海も満喫できました。



※ このサイトは、2016年12月をもって公開を停止しました。
 長期間にわたりご覧いただきありがとうございました。

2013年7月22日月曜日

マンゴーは何処で買う? 宮古島・石垣島の農協売店


 夏の沖縄土産ならばなんといってもトロピカルフルーツ。その代表ともいうべきマンゴーとパイナップル。

 ちょうど今頃が旬ですね~。
 向こうで買う完熟物は甘~いんですよね~。
 値段も安いし。

 えっ、結構いい値段したぞという方。それは観光客向け値段で買ってしまったのではないですか?
 

 これは、既に完熟。ゆうパックで送ると着く前に腐ってしまうこと必至。帰る直前に買って持ち帰らなければなりませんが、とても甘い。パインのイメージが変わります。

 こういった、地元向けお買い得品の農産物を誰でも買えるのが、農協売店です。
 石垣島の「ゆらてぃく市場」と、宮古島の「あたらす市場」。


 マンゴがー山のように。石垣島の店にはパインの山も。


 酸性土壌を好むパインは、隆起珊瑚の島である宮古島では栽培に適さなかったのですが、最近では土壌改良により、宮古島でも少量の宮古産パインが流通し始めました。

 もちろん、トロピカルフルーツだけを売っているわけではありません。
 

 地元産の色々な島野菜。
 生産者が自分っで値段を付けて持ち込みます。
 なので、品質も値段もまちまち。

 「あたらす市場」ではこんな貼り紙まで。

 自己責任で・・・ちゅうことですな。

 こんなのもありました。
 
  「台風に耐えに耐えたが落ちてしまいました」というコピーが泣かせるというか、笑わせるというか・・・
 お土産でなくてもホテルの冷蔵庫で冷やせばデザートにいいかも。

 農産物以外にも肉類や加工食品、弁当、お菓子類もあります。

 石垣島「ゆらてぃく市場」は、中心市街地からも歩いて行ける距離ですが、宮古島「あたらす市場」の方は、空港に向かう途中にあり平良市街地からはちょっと離れています。
 しかし、どちらも広い駐車場があるので、車があれば問題ありません。
 場所等はwebで検索してください。

 また、この店から発送もできます。発送に適した商品を選べばOKなのです。

 お好きな方は、じっくり選んでお買い得品を探してください。見ているだけでも楽しめます。
 
 石垣島に関しては、値段は、ゆうぐれなモール(旧あやぱにモール)よりも安く、もちろん空港の土産物店よりはかなり安いようです。

 ちなみに、マンゴーは追熟する(収穫後9~10日くらいがベストらしい)ので、値段を気にしなければ内地でも完熟物が買えますが、パインは追熟しないので、完熟物は現地でしか買えません。腐る一歩手前の物は激ウマなのに激安です。

 

2013年7月18日木曜日

ここは穴場!? 瀬底島のアンチ浜

 那覇から国道58号線を北上し、
 名護市で58号線と分かれて左折し、
 海洋博公園、美ら海水族館方面に向かって本部半島を海沿いに進むと、
 やがて、本部半島と瀬底島を結ぶ瀬底大橋の袂に到着します。

 瀬底島方面に左折し、橋を渡って何気に景色を見ていると・・・


 どっひゃー! 何この綺麗な海。
 橋を渡り切った所に駐車場があったので、そこに車を止めて瀬底大橋を歩いてみました。

 凄いじゃん。ここ。

 反対側はというと、 

 こっちも凄い。
 遠くに見えているのは伊江島。真ん中のとんがった山は「城山(ぐすくやま)」、一般には愛称である「タッチュー」と呼ばれる島のシンボルです。


 いや、知りませんでしたよ。
 意外な所で、こんな綺麗な海が見られるとは。
 帰って調べてみたら、この辺はアンチ浜というそうです。


 浜に降りてみると、
 こりゃまた綺麗!


 いや~いいすねぇ。人も少ないし。
 珊瑚はあまりないので、シュノーケリングには今イチだそうですが、何しろこの海の色。灼熱の太陽に照らされた夏ならば、思わず飛び込みたくなりませんか?

 食堂、シャワーなどもあり、無料の駐車場もあります。




 瀬底島といえば、有名なのはこちら瀬底ビーチ。

 ご覧のように賑わっていますが・・・人多過ぎ。
 
 駐車場も有料。
 ビーチ直結ではないのに1台1000円。 
 さらにそこから少し離れた所は1台500円だった。

 そして気分が悪かったのは、ビーチへと続く道の途中におっさんが居て左方向に進むように誘導。何があるのかと思ったら海の家の脇を通ってビーチに行けということらしい。

 そんなえげつない商売しなくたって、海が綺麗で楽しいと思えばみんなそこで食事もするし、かき氷も食べる、有料でもシャワーも浴びますよ。
 
 

 その上これ。
 瀬底ビーチの真ん前にできるはずだった大型リゾートホテル。
 事業者倒産のため、工事が中止されたまま既に4~5年。

 綺麗な海こそが一番の観光資源のはずなのに。


 せめて、アンチ浜はいつまでも「穴場」とご紹介できる場所であって欲しいです。


 さて、当ブログ。タイトルは「宮古・八重山」ですが、宮古・八重山以外でも自分がいいと思った沖縄各地の写真を紹介し、記事を書いています。

2013年7月12日金曜日

池間島のフナクス 通称「ブロックビーチ」

 宮古島のお隣、池間島のシュノーケリングポイントである「フナクス」。ビーチエントリーでもこんな光景が楽しめます。


 
 「フナクス」とは地名で、漢字で書くと「船越」です。
 とは言っても現在人が住んでいるわけでもないのでそういう住所地はなく、公図上の地名だそうです。

 宮古はよく行くけれど、「フナクス」なんて知らんぞという方には、「ブロックビーチ」と言えばお分かりでしょうか。

 「フナクス」という地名が広まったのは、2~3年前だったでしょうか、JTAの機内誌「コーラルウエイ」で紹介されてからです。

 何故「ブロックビーチ」かと言えば、これ。

 ビーチ入口の段差にブロックが積んであるから。
 誰が名付けたのか、上手いネーミングですよね。

 ホンの7~8年前までは、知る人ぞ知る幻のビーチで。訪れる人もほとんどいなかったそうですが、「珊瑚が綺麗だ」と口コミで広がり、ディープな宮古ファンの間では有名に。

 それでも、車で走っているとこのブロックしか目印は無く、路駐の車で気がつく程度でした。


 ところが・・・

 なんとビックリ!
 こんな立派な駐車場ができてしまいました。

 観光客が行きやすくなったのはいいことですが、それで、人が増えすぎて肝心の珊瑚の海は大丈夫?ちょっと心配なところです。

 ただ、ここは、市営の駐車場。無料で誰でも利用できます。
 
 一時有料駐車場を営む者もいましたが、今は廃止されたみたいですね。

 それに、今のところは、ですがビーチエリアで商売をやっている奴も居ないようです。
 
 海岸は国有地で誰でも自由使用が原則。無許可でビーチを占有し営業することは本来できないはずですが、宮古島周辺に限りませんが、例えば、かつて下地島の中の島、来間島の長間浜では問題が起きています。

 今でも、吉野海岸、前浜などではちょっとどうかと思う行為が行われています。

 その点、ここフナクスは悪い感じではありません。
 あとは、訪れる観光客が、海を汚さない、珊瑚を踏み付けないといったマナーを守れば、誰でも安心しして遊べる離島の素敵なビーチであり続けることができるでしょう。

 ここは、海の中の珊瑚が素晴らしいだけではなく、上から眺めても素晴らしい光景が堪能出来ます。

 特に、島の東側にあるので夕方は順光線となって海が輝きます。

 潜って綺麗、眺めても綺麗というビーチは意外と少なく、そういう意味でもここは貴重。
 「リトルニシ浜(=波照間島)」とでも言いいたいところです。


 また、ここはオカガニの生息地としても有名で、駐車場造ちゃったんでヤバイんじゃない、という声もありましたが、取り敢えず全滅ではなさそうです。


 自分が沖縄離島に行き始めてからまだ十年ちょっとですが、この間ずいぶん開発が進みました。
 
 コーラルブルーと呼ばれる美しく繊細な色をした海、ちょっと海の中を覗いただけで見ることができる珊瑚や熱帯魚、そのほか沖縄ならではの自然。
 これらがなければ、わざわざ飛行機に乗って遠征する意味はありません。

 ハードが整備されて集客が図られても、「ここは、昔は良かったんだが。」なんてことになっては元も子もありません。我々観光客も、この自然を壊してしまっては自分達の次の楽しみがないことをもっと自覚すべきと思います。

2013年7月8日月曜日

那覇の裏通りには”沖縄”がいっぱい

 「奇跡の1マイル」と言われた那覇市の国際通り。

 戦後の焼け野原から急速に復興したことからそう呼ばれています。今現在、沖縄最大の繁華街でしょう。


 日曜日は、歩行者天国に。
 でも、路線バスは走るから大変。運転手はさぞや気を遣うことでしょうね。


 訪れる観光客の数も半端ではなく、気合いの入った観光客のおねーさんが、肩見せ、足見せ、お腹見せ~ファッションで歩き廻り、まるで彼女らをナンパしているかのように、土産物屋の客引きも一段と熱が入ります。

 宮古島・石垣島の中心市街地は、周辺離島のメインアイランドとしての役割があるため、人口の割には何でもある都会ですが、ここと比べればはるかにノンビリしています。


 が、しかし。人口30万人超の県庁舎在地である那覇も、国際通りからホンの数分歩くだけで、いい感じの沖縄の雰囲気が沢山残されています。


  狭い路地。草木がはみ出しています。

 
 花もいっぱい。


 ブーゲンビリアに乗っ取られそうな自動販売機。

 3階建てのマンションの最上階まで伸びた花。

 下から見上げると・・・

 おおっ!
 安室ちゃんやSPEEDを世に送り出した「沖縄アクターズスクール」がこんな所に?

 ん? 「沖縄アフターズスクール」?

 ただのスナックやん。
 手前の「EXILE」も別のスナックか。


 途中で折れた電柱。

 これぞまさに路地。ハイビスカスが2階に迫るほど育って。

 沖縄最大の都市である那覇は、裏通りとはいっても人も車も近代的な高層階の建物も多いのですが、その中には、赤瓦の屋根も、石敢当も、シーサーも、咲き乱れる花も、我々がイメージするところの”沖縄”が全部あるんです。

 いや、むしろ下手な離島の集落より色濃く沖縄が残されているかもしれません。

 今夜も、ご近所集まってオリオンビールと島酒(泡盛)で盛り上がるんでしょうか。






2013年7月4日木曜日

宮古島のカフェ「スムージー」閉店



 残念なお知らせですが、宮古島にある有名なカフェ「スムージー」が8月18日の日曜日をもって閉店します。

 昨年10月に「宮古島のfantasticなカフェ」という記事でご紹介しましたが、そこです。

 http://miyakoyaeyama.blogspot.jp/2012/10/fantastic.html

 「いつまでも元気で、アノ旨いカレーと豪快な笑い声でむかえていただきたい」と結んだのですが、それから1年も立たずにこんなことを書くのはとても残念です。
 なお、この記事を書くことについてはオーナーの了解をいただいています。


 本家というかお隣りの民宿「津嘉山荘」、こちらも有名な宿ですが、「津嘉山荘」の改築工事に伴い、今の「スムージー」の建物も取り壊されるとのことです。

 大手出版社の旅行ガイドにも載ったことのあるお馴染みの店で、webで検索をかけてみると様々な記事がヒットします。

 オーナーの明子さんは、若い頃、東京・横浜に住み、飲食店で働きながらいつか自分の店を持ちたいと頑張って来たそうで、その成果として生まれ育った宮古島の地でこの店が誕生しました。
 それから13年だそうです。


 行かれたことのある方はお分かりと思いますが、この店は、カレーも旨いけれど、スイーツも魅力的だけれど、ロケーションもノンビリしていてステキだけれど、何といっても明子さんの明るくて元気で強烈な個性が一番のウリです。



 全国に熱烈なファンが居ます。そんな人達からこれまでに届いた手紙や葉書は、段ボール何箱分あるのでしょうか。

 今後のことについては、しばらくは那覇(だったかな)のお姉さんのところで充電し、また何処かでお店を始めたいとのことでしたが、具体的にはまだ決まっていないそうです。


 閉店日が8月18日とハッキリ決まっていますが、翌19日から旧盆が始まり、お盆が終わるとぼちぼち工事関係者がやって来るので、18日と決めたそうです。


 写真を載せるところまでは、了解をいただいていないのですが、これくらいなら許してもらえるかな。
 明子さんに会ったことのある方は、思い出に浸ってください。
 

 こちらこそありがとうございます。あと1月半ほどですが頑張って旨いカレーを作ってください。次に何処かでオープンする店にも必ず伺います。



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