2017年8月30日水曜日

本当にこれでいいのか! 石垣島・宮古島が激変


 沖縄離島に通い始めて20年弱。
 この間、島も少しずつ変わって行きました。それは、ある意味当然のことだと思います。

 しかし、石垣島・宮古島などいくつかの島は、ここ1~2年で凄まじく変化しました。まさに激変です。


 原因は、観光客の増加。特に、ご多分に漏れず外国人観光客の急増です。
 那覇では、2~3年前からその傾向が見られたのですが、その波が石垣島や宮古島などにも、一気に押し寄せました。

 離島は、航空機の輸送キャパに限りがあるから、そんなに極端に人が増えることはないだろうと思われていました。
 ところが、アジアの国からやって来る大型クルーズ船に乗って、最大2千数百人が一度に上陸するのです。チャーター機も飛んで来るようになりました。



特定の観光地・施設に大挙して人が押し寄せる
 その象徴たる出来事の一つが、前回記事にした玉取崎展望台の件です。

 あの広い石垣港離島ターミナルが、最近は団体さんでいっぱいです。
 手頃な時間の離島航路便は、乗り切れないので、2隻運航されることもあります。

 離島桟橋に一番近いコンビニは、ある時間帯、店に入ることも出来ない状態です。

 宮古島でも、ホンの2~3年前まではチラホラとしか見かけなかった大型バスが、今やそこかしこで重走しています。

 来間島農村公園駐車場は、狭いので大型車が入れません。バスは入口付近の道路に路駐して客を降ろします。
 島の駅では、買い物かごいっぱいの土産物を買う人がレジに列を為します。気軽にマンゴーを1個だけ買える雰囲気ではなくなってしまいました。



ホテルが取れない
 1泊1万円以下のビジネスホテルクラスに人気が集中し、 特に石垣島では予約するのにとても苦労します。
 
 一般の観光客はもちろんですが、八重山離島の住民はもっと深刻です。彼らの生活は、買い物、娯楽、祭事から医療・介護まで、石垣島とは切っても切れないのです。
 石垣島のホテルの中には、離島枠、離島割引の制度を設けているところもあるらしいのですが、とてもそれじゃ足りないという話です。


沖縄らしくない飲食店が増加
 外国人は、沖縄に来ても、沖縄らしいものではなく、日本らしいものを求めるのだそうです。
 つまり、食べたいのは、沖縄そばではなく日本のラーメン。

 そのためなのか、石垣島では、ラーメン、寿司、石垣牛など何でも食べられる「居酒屋」が出現しました。
 寿司屋でラーメン? 焼肉屋で寿司? 

 ガラス張りで、足下まで外から丸見えの居酒屋もいくつかできました。こんなのが流行っているのでしょうか。

 石垣ヴィレッジには、日本酒バーとかラーメン専門店があります。○○バルなんていう店も。
 730交差点角の改装中だったビルの1階には、お菓子御殿の売店が入りました。紅芋タルトで有名な本島の企業です。
 
 外国人観光客受けする営業を指南する、公的サイトもあります。
 その一方で、以前からあった食堂・居酒屋が、少しずつ姿を消しています。



 
 石垣島や宮古島だけではありません。
 人口600人弱の、慶良間諸島の座間味島。6年ぶりに座間味島に行きましたが、ここも大変なことになっていました。
 こちらは、古座間味ビーチがミシュラン二つ星になったことで、白人系の外国人観光客が急増しているそうです。

 彼らの行動パターンの基本は、夜外食です。それに合わせて、宿も素泊まりやBBBedBreakfast)のところが増えています。
 そうなると、今度は、夕食を食べに行くのが大変。予約をしておかないと、なかなか店に入れないのです。
 座間味島で、夕食に苦労するなんて、信じられます?

 そして、こちらも、沖縄らしくない飲食店が急増中です。「やっと入れたかと思ったら、こんな所まで来てピザやパスタかよ。」と、これは同宿だった人の嘆きです。

 古座間味ビーチでは、ビーチパラソルが3列に並んでいました。泳いでいる人などほとんど見かけなかった阿真ビーチには、遊泳区域にロープが張られ、監視員が常駐しています。


 座間味島では、「訪れる人が増えて島は潤っています。」と宿の人が言っていました。一方、ダイビングショップでは、ヘルパーが来てくれないとも。
 皆、比較的楽で、拘束時間が少ない飲食店に行ってしまうからだそうです。
 少子化のため、人手不足は全国的な問題ですが、座間味島では、バブルの様相を呈しています。
 
 そういえば、沖縄では、本島・離島を問わず建設費が高騰していて、坪単価は、既にバブル期を越えているという話も聞きました。




 かつて、スキーブームと言われた時代がありました。もう20年以上前です。
 積雪地帯では山が削られ、ゲレンデとリゾートホテルが次々と造られました。
 若い人は信じられないでしょうが、スキー場近くの旅館街には、ディスコやゲームセンターがいくつもできて、夜、「アフタースキー」で賑わっていたのです。
 宿の値段はつり上がり、予約もままならず。バスもJRも切符が買えない。長いリフト待ち時間。食堂(通称ゲレ食)は、混んでいて不味くて高い。ブームのときは、それでも人が押し寄せました。

 あれから20年。今では目も当てられない有様です。
 中小規模のゲレンデは言うに及ばず、ワールドカップが開催された名門スキー場でも、ゴンドラの廃止、ゲレンデの規模縮小が、毎年のように行われています。
 憧れだった、ゲレンデサイドのリゾートホテルに泊まるスキーツアーが、気の毒なほど安くなりました。
 



 国は、外国人観光客の増加を成長戦略と位置づけているようです。
 つまり、今の石垣島や宮古島の状況は、国策に沿ったものということになります。

 だからといって、バスを増やし、レンタカーを増やし、タクシーを増やし、外国人好みの飲食店を増やし、土産物屋を増やし、遊歩道を整備し、駐車場を造り、展望台を造ればいいのでしょうか。それで、皆がall happyなのでしょうか。


 ブームは必ず去ります。
 まして、外国人相手の場合、国際情勢や為替の変動によって、状況が一変するかも知れません。
 そのとき、何が残るのでしょうか。

 島人が経営していた小規模な宿、飲食店、ショップが衰退し、何処にでもあるような大手資本の施設ばかりになったら、
 食堂が、内地と同じメニューや、ソフトにアレンジされた沖縄料理ばかりになったら、
 駐車場が出来て、展望台が出来て、遊歩道が出来て、でも、管理が行き届かず草ボウボウになったら、
 建設中のホテルや観光施設が、工事半ばで廃墟のまま放置されたら、
 沖縄らしい文化が後退し、演出された南国アピールだけが残されたら、

 それでも、お得意さんだった日本人観光客は、変わらず来てくれるでしょうか。

 


 せっかく大勢の観光客が来てくれるのに、このチャンスを生かさない手はない。今までと勝手が違うからといって文句を言う奴らには構っていられない。そんな本音が聞こえて来そうです。

 しかし、あまりに急激な変化は、一時的に潤っても、必ず歪みが生まれます。
 誰かが、全体を見渡して、島の持続的な発展のためのビジョンを示さなければならないはずなのに、誰もが、場当たり的な対応をしているとしか思えません。



 当ブログは、沖縄で撮った写真を見ていただくことを主眼にしています。
 人が写らないように、綺麗な場所を選んで写真に切り取る事は可能です。
 前回記事のように意図して撮るのでなければ、これまでと変わらぬ沖縄の美しい風景をお届けすることは、今後も可能だろうと思います。

 しかし、本当にこれでいいのでしょうか。



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